ライトノベルの書き方。読み味をあやつる作家が生き残る

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今日はライトノベルを書きたいと思っている方むけの記事です。プロ、アマ問わず新しく小説を作りたいと考えている方へのメッセージを書きます。

読み味をあやつるということ。ライトノベル作家として生き残るために欠かせない技術と考え方の話です。

ライトノベルは読み味が命

ライトノベルのような娯楽小説は読者に読んで楽しんでもらってはじめて役割を果たします。

要するに、お客さんが期待する読み味をいかに提供するか。本を買うのに支払った代金以上の価値をどうやってお返しするか。そういう視点で小説を設計すると、自然と一次選考くらいなら当たり前のように突破できるようになるはずです。

読み味には種類がある

一口に読み味といっても、広範な意味をもつこの言葉を正確にあらわすことはできません。

読み味はくわしく見ると三つの要素でできていることが分かります。

①読む前の期待

読み味は読む前から感じとれるようでなくてはなりません。

読んだら分かる、読んだら伝わる。それではダメなのです。読まずに容易に予想できる読み味が表現できていなければ、忙しい現代の読者は気にもとめてくれないからです。

たとえばタイトルにこだわる。要約したあらすじで面白そうと思える。キャラクター配置が絶妙で、どれくらい面白そうな話が巻き起こるかなんとなく見当がつく。そういった読む前の期待感を高める工夫をこらしてあると、読む前の読み味が良くなっていきます。

②読んでいる最中の共感

読んでいる最中に感じとれること。これが一般的な意味での読み味ですね。文章の洗練ぐあいや、描写の盛り上がり方、キャラクターの感情の揺れ動きなど様々なテクニックを駆使して

「そうそう、こういうのが読みたかったんだよ!」と思わせることができればしめたものです。

ラブコメが読みたい読者に「そうそうこういうラブコメがいいんだよ!」と思わせること。ホラーファンに「うおおお、この感覚が味わいたかったんだ!」と思わせること。ジャンルは違っても作家が目指すべきことは同じです。おかしなことを言うようですが、読者は読みたいものが読みたいのです。読みたくないものは読みたくないですし、どんな読み味か予想もできないものは読みたいという気持ちがなかなかわいてきません。

③読み終わった時の感覚

読後感という言葉があります。小説を読み終えたあとの余韻。すがすがしい気持ちや、ほっとする気持ち。あるいはモヤモヤとすっきりしないけど妙に頭にこびりつく。誰かに話したくなる。そういう読み終えた人だけが得られる感覚を読後感といいます。そして読んでいる最中の共感とならび、この読後感のことも読み味と言われることがあります。小説を書き始めるにあたって、このことを念頭にいれるかいれないか。それはやがて大きな違いを生みます。

読後感を意識することは、言い換えれば「自分が何を書いているか」を意識することです。自分が何を書いているか。この文章の果てに、読者にどんな気持ちになってほしいか。すがすがしい気持ちになってほしいと願いながら書いたハッピーエンドは、きっと大きな幸福感を感じさせてくれることでしょう。何を書きたいか、書くものを通してなにをしたいのか。読後感への意識とは、作家としての核ともいえます。

期待、共感、読後感をあやつる

書き始める前にスタートの位置を確認し(期待)、文章を最適化し(共感)、しめくくりを狙い通りに書く(読後感)。

これが娯楽小説のごく基本的な作法です。小説を書きなれないうちは難しいかもしれません。しかしたくさん書いていくなかでだんだん身についていきます。

そして基本的作法であると同時に、極意でもあります。これができるようになると、売れるライトノベルの書き方が分かるようになってきます。徹底的にユーザー志向。読み味を求める人にむけて自分が提供できる最高の読み味を書く。読者の顔を見る。ひとりよがりの作品から抜け出す。そうすれば自然と結果があとからついてくることを実感できるでしょう。

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