4.読者に最も支持されているシーンはどこか?

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お気に入りの3冊の分析法その4(最終回)です。

さいごは、読者の気持ちを想像するための練習です。

読者はどのシーンが好きなのか?

読者の気持ちを想像するために、読者がその本のどこを気に入るのか想像しながら読んでみましょう。ポイントは、自分が好きなシーンを探すのではなく、あくまでも最大多数のファンがどこに魅了されるのか?という客観的な予想をすることです。

客観的な予想とは

客観的な予想とは、自分の個人的な趣味を排した推測のことです。たとえばあなたがすごく触手陵辱イベントが好きで、序盤のなにげないピンチの描写にいたく興奮し、ここが最高のシーンだ!と燃えあがるとします。しかし、いま必要なのは冷静な分析です。燃あがらないでください。個人的な情熱を一旦わきに置いて、最大多数の読者が本当にそのシーンを絶賛しているかどうか考えてみましょう。

ニッチなフェチズムが最大の評価をあつめることは、まれです。ふつうは、いかにも感動的なクライマックスであったり、主人公のかっこよさが炸裂しているところであったり、ヒロインの魅力がこれでもかと表現されているところが読みたくて、ファンは作品を支持するものです。

作者がいちばん感動を狙ったシーンは?

読者のお気に入りシーンを想像する練習を積んだら、おまけでもう1つ。作者がどのシーンを通じて、読者をいちばん楽しませようとしていたかを見抜くつもりで読んでみましょう。いわば、売れっ子プロ作家への挑戦です。

もちろん作家は、すべてのシーンに命をかけていますし、一行のこらず大切に書いています。どのページにも優劣などなく、すべての文字をあつめて1つの完成品です。とはいえ、作家にも感情はありますので、自然と筆が乗るシーンもあれば、ここで感動してくれ!という意図をこめて書くところだって当然あります。

それを、初心者なりに見極めてみるのです。そういうアンテナを張りながら読むと、不思議と「ここは作家の感情がこもっているぞ!」なんてことが分かってきます。

読者と作者の気持ちが重なっているか?

さいごは答え合わせです。あなたが予想する「読者のフェイバリットシーン」と「作家のフェイバリットシーン」が、はたして一致しているかどうか、見極めてみましょう。これが見事に重なっている作品は、読者の共感を呼ぶ良作ですし、読者の感情をよく理解できる優れた書き手であると分かります。

一方、作者の意図するところから離れて、どう考えてもメインじゃないところのほうがウケちゃってるぞ?という作品もあるはずです。理想的には、意図と反響がぴったりとあわさるのがいちばんなのですが、読者のウケがすごく良いはずだと想像できるなら、ズレていてもOKです。

どのシーンで読者をファンにさせるか

分析法その4から分かることは、小説はシーンという単位を組みあわせてできている、ということです。そしてひとつひとつのシーンにそれぞれの意図があり、特に「読者をファンにさせるための、読者フェイバリットシーン」を用意すると良い、ということでもあります。

自分で一冊書くときも、どのシーンの、どんな書き方で、読者をその作品のファンにさせたいと思うのか。そうした視点が有用だということを覚えておいてください。

次→ 分析法のおさらい&まとめ

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