3.主人公の最大の強みと最大の弱みは?

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お気に入りの3冊の分析法その3です。

続いては、「主人公の特性」に注意をむけてみましょう。

主人公は強みをもっている

分析法その1でも述べましたが、主人公は必ずなんらかの強みをもっています。特に主人公は、ほかのキャラクターでは代わることができない、オンリーワンの強みを備えていなければなりません。ここでは、もう一歩進んで「その強みとは一体なにか?」を見抜く力を養うことが目標です。

最大の強みは「性格」である

主人公が他のキャラクターと換えのきかない「主人公」であるためには、強みが必要だと言いました。そうした強みはいくつか持っていることもあります。そのなかで、最大の強みと呼べるものがなにかを探してみましょう。突き詰めていくと、それは主人公の「性格」であることに思い当たるのではないでしょうか?

女の子が大好き!という性格も、悪いやつは絶対に許せない!という性格も、面倒事は大嫌い!という性格も、主人公を主人公たらしめる立派な強みになります。女の子が大好きだからこそ、女の子を泣かせるやつには果敢に挑んでいくでしょう。悪事を許せない性格なら、自分なりの正義のためにあっと驚くかっこいい活躍をみせてくれるはずです。面倒事が嫌いだとすれば、面倒を避けるという行動原理に反するようなイベントでも最小のコストで省エネ解決をはかる姿をかっこよく見せてくれるでしょう。

大切なのは、その性格をもち、その性格をつらぬくがゆえに、どんな素晴らしいシーンを書けるか?ということです。作品の中で物理的に強いかどうか、戦闘に勝てるかということとは無関係である点に注意してください。

「必殺技=最大の強み」という誤解

主人公の最大の強みとは、性格であると言いました。ひるがえって、主人公のもつ必殺技は、強みの1つかもしれませんが最大のものではない、と言えます。

もちろん必殺技、能力も読みながら分析をしてみてください。こういう能力だから、こんなにもかっこいいのか!とか、なるほどこういう活用法もできるから主人公らしくてかっこいいのか!と気付くものは多いはずです。

弱み=性格でもある

主人公の最大の強みが性格であったように、最大の弱点もまた性格から探してみましょう。改めてよくよく読み込んでいくと、強みであったはずの性格が、そっくりそのままトラブルやピンチを招く弱点としても使われている場合があることに気がつくのではないでしょうか。

実は、主人公の弱みとは強みを別の視点からみた解釈の一側面なのです。たとえばドラゴンボールの孫悟空はその「強敵ほどバトルを愉しむ性格」が、戦闘での強さや、痛快でダイナミックなバトルを描くための強みになっている一方、「強敵とのバトルを優先するあまり人命や家庭をかえりみない破綻した人格」にもなるわけです。ひとつの同じ「好戦的」という性格を異なる角度から解釈するだけで、強さにも弱さにもなります。

はたして自分の主人公はどんな性格か

初心者のうちはついつい設定がちになり、能力面での強さを突き詰めたくなるものです。しかし、手本を見比べながら、性格を最大の強みとすることの大切さに早く気づいてください。初心者脱却の近道は、キャラクターの心情をいまより少しでも上手に描けるようになることです。そのために、性格を多角的に分析するクセをこの段階で身につけておきましょう。

次→ 4.読者に最も支持されているシーンはどこか?

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